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CardWirthエンジン分析-行動順について

今回の検証記事は推測・仮説部分が多いので取り扱い注意。

戦闘シーンにおける行動順の検証は 完了していない。 が、これまでの検証で、行動順の仕様は部分的には明らかとなっている。 おそらくは、シナリオ制作においてはそれで事足りるであろう。

タイマン戦における行動順判定

タイマン戦、 すなわちPC1人&敵1体の戦闘における行動順判定は、次のようにして行われる( 検証シナリオ):

PCの(敏捷+大胆)+1d6<敵の(敏捷+大胆)+1d6ならば敵が先攻、そうでなければPCが先攻

具体的な先攻率は以下の通りとなる:

敵の(敏捷+大胆)-PCの(敏捷+大胆) 敵の先攻率
-5以下 0%
-4 2.8%
-3 8.3%
-2 16.7%
-1 27.8%
0 41.7%
1 58.3%
2 72.2%
3 83.3%
4 91.7%
5 97.2%
6以上 100%

このことから、行動順判定については以下の仮説を得る:

しかし、タイマン戦以外での実際の行動順の判定は、(敏捷+大胆)+1d6 による算出値の単純な比較ではない。正確には、(敏捷+大胆)+1d6 による算出値の単純な比較と一致する場合と、一致しない場合がある。

2人以上のパーティで、一人を除いてPCを意識不明にした場合には上記の結果とズレる可能性がある。

非タイマン戦における行動順判定

※この部分については追加実験を行い、加筆する予定である。

実験1(Version1.50エンジン)

PC一人と敵2体(敵A、敵B)を並べ、どちらの敵が最も早く行動するかを調べる。

敵Aの(敏捷+大胆)=6、敵Bの(敏捷+大胆)=0に固定し、500ラウンド行動させる。 バトルエリアでの配置は、敵Aが奥、敵Bが手前である。 PCの(敏捷+大胆)を色々変えて実験した結果は以下の通り:

PCの(敏捷+大胆) 敵Aの先攻数 敵Bの先攻数
14 500 0
6 500 0
4 497 3
3 498 2
0 500 0

(敏捷+大胆)+1d6 による算出値を考慮すると、敵Bが敵Aより先に行動することは無いはずである。 しかし、PCの(敏捷+大胆)=3,4のときにはそうした現象が確認される。 色々試すと、以下のような事実がわかった:

実験2(Version1.50エンジン)

PC一人と敵数体を並べ、どの敵が最も早く行動するかを調べる。

敵Aの(敏捷+大胆)=6、PCの(敏捷+大胆)=14に固定し、500ラウンド行動させる。敵の数とPCの(敏捷+大胆)を変えて実験する。奥から敵A、B、C、D、Eの順で並んでいる。 試行結果は以下の通り:

敵の数 PCの(敏捷+大胆) 敵Aの先攻数 敵Bの先攻数 敵Cの先攻数 敵Dの先攻数 敵Eの先攻数
5 14 66 53 70 117 194
4 0 107 49 128 216
3 0 174 105 221

事実としては以下の通り:

仮説

行動順の判定について、現時点で筆者が建てた仮説を述べておく。

結論:大まかな行動順判定の指針

タイマン戦以外の、行動順判定の詳しい仕様は不明である。 しかし、 (敏捷+大胆)+1d6が最も大きな行動順決定要因であることはほぼ間違いない。 さしあたり、以下の大ざっぱな指標・目安を用いるとよいだろう:

参考記事