CardWirthエンジン分析-回避力/抵抗力補正
前回の記事 でやり残していた回避力/抵抗力補正の算出について実験結果を交えて述べていく。
計算式
回避力/抵抗力補正の計算式は、エンジンVer.1.20とエンジンVer.1.28で大きく変更されている。
エンジンVer.1.20における回避力/抵抗力補正の計算式
Ver.1.20では以下の計算式であることはよく知られている。
(Ver.1.20)
補正値 = ボーナス/ペナルティの合計
補正値 = ボーナス/ペナルティの合計
エンジンVer.1.28における回避力/抵抗力補正の計算式
筆者は以下の条件で以下の実験を試みた。
- 敵…[レベル5 体力1 身体的特徴オール6/精神的特徴オール±0]×1000体
- PC…[レベル5 身体的特徴オール6/精神的特徴オール±0]×1名
上の状況で戦闘を行い、PCに[器用度+好戦性 回避属性 命中補正±0 微ダメージ 敵全体]のスキルカードを使わせ、死亡数(=命中数)をカウントする。また、敵に回避型召喚獣と回避力変化の付与を事前に行い、回避力を変化させておく。
試すべきパターンが多すぎて筆者の環境での実験が困難ではあったが、アタリをつけながらの実験で、Ver.1.28での計算式はおよそ以下のようなものであることが推測できた。
(Ver.1.28)
補正値 = 補正(+) - 補正(-)
補正(+) = 10^N - (10 - 補正値1)(10 - 補正値2)…(10 - 補正値N)/10^(N-1)
(補正値>0のものだけカウントする)
補正(-) = 10^N - (10 - 補正値1)(10 - 補正値2)…(10 - 補正値N)/10^(N-1)
(補正値<0のものだけカウントする。計算は絶対値で行う)
補正値 = 補正(+) - 補正(-)
補正(+) = 10^N - (10 - 補正値1)(10 - 補正値2)…(10 - 補正値N)/10^(N-1)
(補正値>0のものだけカウントする)
補正(-) = 10^N - (10 - 補正値1)(10 - 補正値2)…(10 - 補正値N)/10^(N-1)
(補正値<0のものだけカウントする。計算は絶対値で行う)
この式は防御力計算の式に類似している(ソース不明・愛護協会のページでみた記憶がある。ソース求む)。
全てのケースを実験することができないので、 実験用のシナリオ を公開することにした。様々なケースにおいての命中率・回避率の推定値と実測値との比較を行ってみてほしい。
例
部分的な結果を例として提示するにとどめる。
- 回避ボーナス+5、回避型召喚獣(+5)の場合、回避力補正は+7に相当する。
- 回避ボーナス+4、回避型召喚獣(+4)の場合、回避力補正は+5に相当する。
- 回避ボーナス+2、回避型召喚獣(+2)×2の場合、回避力補正は+4に相当する。
- 回避ボーナス-5、回避型召喚獣(+5)の場合、回避力補正は±0に相当する。
まとめ
- 回避力/抵抗力補正の計算式は、エンジンVer.1.20とエンジンVer.1.28で大きく変更された。
- 補正(+)と補正(-)は別々に計算される。防御力ボーナスでゲームバランスを調節すると、防御力ペナルティ効果をもつカードに対して極度に脆くなる。
- この記事では、アイテムの所持ボーナス/ペナルティについては考慮していない。しかし、素質の影響は存在するらしい。